季節がゆくとき
お題「#この1年の変化 」に参加します。
レジャーやエンタメを楽しむことが難しく、趣味謳歌人間としましては本当に苦しい一年でした。
煌めく街に出掛けることも、小さな映画館をふらふら梯子することも、クラブで音楽に揺られ夢現を行ったり来たりすることも、「行く」「行かない」はこれまでの基準のままではいかなくなった。
生活が脅かされている人のことを思う中で、この国の選択へ憤りを感じたりやるせない思いに駆られたりすることもあった。
こんな状況においても知恵を絞ってできることを全うしようとする人々の取り組みやそこから生まれた創作物(有形無形問わず)に心を癒され、励まされることがしばしばあった。そのおかげでなんとかやってこれた。
たった一年のことだが、これまでたくさんのフェーズを経て今ここに立っている。一日ごとに全く違うことを感じていたようにも思うし、グラデーションのようにゆっくりじっくり変化しているような気がしたり、何周か回ったような感覚になったりもした。
その時々に何を感じていたかはすぐに忘れてしまうもの。かと思えば何かのきっかけでブワァ〜〜〜っと思い出すこともあって、人って本当に不思議ですね。
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前置きがあまりにも長かったのですが、季節がゆくとき、その瞬間に感じていたなんでもないことを書き留めておけるとても素敵なツールに出会えたことが2020年最大の収穫でした。
ご紹介します、nuの「10年メモ」です。
もともとはとても大切な友人から一緒に書こ!といただいたものでした。
これは2019年12月、居酒屋で突然渡された嬉しさで撮った一枚。超ズボラ人間なのにこの瞬間から何故かめちゃくちゃ続く予感がしていて、4月がくるのが待ち遠しかった。
そしてこれが現在の10年メモ。
なんと4月1日から3月6日まで毎日続いています。「あの日あの時のちょっとした感情」がそこここに真空状態で眠っていて、自分で言うのもなんだが本当に面白い。自分が書いてるからこその面白さなんですがね。この感覚は是非沢山の人に味わっていただきたい。書くこと自体にヒーリング効果があるような気がして書かないともう気持ち悪くて寝ることもできない、という状態です。
筆者の思う「書きたい気持ちにさせられる10年日記のすごさ」
- 装丁や紙質がちゃんとしてる
- 1日が本当にちょうどいい分量
- 10年が見開きに収まるロマン
- 栞の位置を見れば「もうこんなに来たのか」と一目で分かる
- 適当なページを開いて読み返すと面白い
ペラペラのしょうもないノートならここまで熱心に書けてないです。プレゼントしてくれた友人とも話していたのですが、とてもいい紙を使っているのでペンが紙の上をスルスル動く。その感触も良くてまた書きたくなるんですよね。
中はこんなふうになっていて、書きたい時はまあまあ書けるしそんなに書きたくない時は一文で終わっても罪悪感がない。2020年から2030年までずっと書けるのでとにかくロマンたっぷり。10年後のためにせっせと書いてます。
筆者流「毎日続ける上での心構え」
- 苦しくなるほど赤裸々に吐かない
- ふわふわふわ〜と書く
2、なんやねんという感じですが、本当にこれでうまくいってます。苦しくならない程度に書きたい日には思いの丈をぶつけて、でも、「誰かに見られてもノーダメージ」くらいの軽やかさで、あまり文もひねらず気楽に書いてます。この日のハイライト、そこ?みたいなくだらないものが日記に登場する日もあるのですが、月日が経ってそのページを読み返すと、不思議とあの日の肌感が手に取る様に分かる気がする。
筆者の大好きな音楽グループです。宣伝。この日は本当に久しぶりにライブを観られて、それも超いいイベントで大感動。この気持ちしかなかった。
例の友人と10年メモを持ち寄り日記会もしました。誰かと一緒に書いているというシチュエーションも功を奏して書き続けられているのだと思う。今でも会うたびに日記の話をしてます。
「絶対に忘れていくようなちょっとしたことの連続で毎日が成り立っている」ということに改めて気付かされる素敵アイテムです。
この1年の変化がこの一冊に。この先の9年も何卒宜しくお願いしたい、そんな相棒。